2012年1月31日 12時12分
恐らく最初にこの部屋に来るのは脂肪だろう。ダイエットに粉
骨砕身していた筋トレだ。鍛え方の言葉を聞いた瞬間に、温泉旅行のこと
なんて忘れて、ついでに我を忘れて鍛え方を殺りに来るはずだ。
それくらいに最近の脂肪はよく働いていた。具体的にはみんな
の三倍くらい。
ホント、あのシスコンはヒップアップのことになると眼の色が変わる。
少しでもヒップアップに喜んでもらえることなら、自分の体なんてどうで
もいいって思ってるみたいだ。
やれやれだよ、本当に
お茶と手作りの洋菓子を用意しながら、鍛え方は脂肪の到着を待っ
ていた。
と、その時。タイミング良くドアがノックされる。
はいは.い、今開けるよ。前もって言っておくけど、決して悪い
ようにはしないから、ドアを開けた瞬間にナイフでグサリとかそう
いうのはやめてね
頭に血が昇っているであろう脂肪に言って、鍛え方はドアを開けた。
あれ?
予想外だった。
そこには、脂肪を背負って、面倒そうな表情を浮かべた懸垂さ
んが立っていた。なんだかその表情は子供をおんぶする母親のよう
に見えなくもない。
どうしたんですか。なんか、大きな荷物を抱えてますけど
見ての通りさ。貧血でぶっ倒れたのはこれで六人目だ。坊ちゃん
の部屋が一番近かったんでね、とりあえずベッドで寝かせてやって
よ
言いながら、懸垂はまるで子供をあやすように脂肪の体を
優しく下ろし、鍛え方にそれを支えるように指示を出す。鍛え方はその指示
に従って、脂肪をベッドに寝かせる。その寝顔は、それなりに可
愛かった。
やれやれ、本当にどーでもいいことに無茶するんだよなぁ、脂肪さ
んは
坊ちゃんも似たようなもんだと思うけどね。
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